今週の海のメッセージ 10月6日 

 
写真:紀伊水道に西向きに面した湯浅湾の夕日。
    毎日少しずつ違った表情を見せながら海に沈んでゆく。

 さて、10月に入りました。
 10月の凪の日の海上は、夏と違って涼しいので、漂っているだけで心地よく、また漕ぐのにそう疲れないので、初めての人でもけっこう遠くまでいけることが多いです。弱くなった太陽光線は風景全体の陰影を描き出し、巨石、山々のシルエット、水平線、大空の雲、上昇気流を捕らえて滑空するイーグル系の渡り鳥・・・、すべてのものが独特の透明感を帯びる、フィーリング的に言うと「泣けるように胸に染み入ってくる」美しいシーズンです。

 春〜夏は南風が趨勢でしたが、これからは北風が趨勢に変わってきます。そして、北風の風裏となるのが、たとえばここ湯浅湾では「やびつ海岸」になります。やびつ海岸は、関西屈指の好フィールド・湯浅湾の中でも、「え? こんな自然場所がこんな近郊にあったの? 日本じゃないみた〜い」とびっくりせずにはいられない、秘境フィールドです。夏場は暑すぎてここまで漕ぐコースは取り入れられませんでしたが、これからはここに行く機会も増えてくることでしょう(その日のコンディションによることはご了承ください)。雄大なる海のスケールを、よりじっくりと味わいうことのできる季節、ぜひお見逃しなく。

 「誰かにごめんなさいと謝らねばならないような気すらしてくる秋のシーカヤッキングの快感」

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