アイランドストリーム　　　　
RHYME FOR THA YUASA-WAN BAY
二つの流動が出会う場所

湾の北口、宮崎の鼻。 湾の南口、白崎海岸。

海流と潮汐流。 　両者は違うものだ。 　地球が自転する際のコリオリの力によって生じる大洋大循環の流れが「海流」で、月や太陽など天体と地球との引力によっておこる干満から生じる流れが「潮汐流」。 　前者が「回転する地球の歌」だとするならば、 　後者は「interplanetary music（惑星同士でセッションする音楽）」。 　紀伊水道に面したここ和歌山・湯浅湾は、2つの流動が出会う場所だ。 　湾の南端「白崎海岸」をより南に向かうと、太平洋の海流「黒潮」の香りが濃厚になり、一方、湾の北端「宮崎の鼻」を北にかわすと、瀬戸内海の潮汐流世界の気配が増してくる。 　「香り」や「気配」というと抽象に聞こえるかもしれないけれど、シーカヤックで実際に漕ぎ出でてみれば、それは具象そのものだということがよくわかる。 　その時その現場に身を置く者にしかわからない、他人に説明すればえてして抽象にしか聞こえないその「独特の具象」が、シーカヤックで自然の中を旅する者すべてが味わう、豊かなる「旅情」ってやつだ。 　２つの流動が出会う、穏やかな海。

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大自然のこころにふれる旅
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