こんにちは。アイランドストリームのtsuyoshiです。
　先週は小春日和と西高東低の冬型、そして台風に刺激された低気圧が猛烈に発達し北西風が吹きすさぶという、移り変わりの激しい一週間でした。海も、シーカヤッキングに最高な日と、きつい日とにはっきり分かれました。

　今の時期の小春日和には、ナイスなシーカヤッキングコンディションとなります。
　特に凪の早朝、寒い外気温と温かい海水との温度差で水面に水蒸気が招かれ、ピーンと一本張り詰めた清冽な空気が、心と身体と脳みそをシャキっとさせてくれます。やや暗いうちから出艇し、そこらじゅうを漕ぎ回り、太陽が昇りきって暖かくなったなと思ってふと腕時計を見やると「まだ午前８時か」ってな感じで、なんだか得をした気分がします。
　それから湾内を周遊。

　初冬に入ると少々風の強い日も増えてきますが、よほどの大シケとならない限り、風裏の穏やかな場所がどこかにでき、そこでシーカヤッキング可能となります。湯浅湾は結構広い湾で地形も変化に富んでいるので、全フィールドお手上げ状態とまではなかなかならないんですね。
　いい海です。
　
　しかし早いもので、今年ももう師走ですねえ。
　そしてもうすぐクリスマスです。
　街を歩けばクリスマス用のイルミネーションが目を楽しませてくれ、クリスマスソングが耳を楽しませてくれます。湯浅の街も、普段はパッとしないわびしさの漂う街だけれど、今はクリスマス用のライティングがなされ、見違えるような風情が感じられます。シーカヤッキングを終わって海から上がると、海のフィーリングというか、ちょっとした緩やかな高揚感みたいなものが全身に残っているのですが、その感じでクリスマス仕様の湯浅の街を歩くのもなかなかマッチするものがあります。
　で、渋いバーがあったらさらにいいのにな、と思ってしまいます。
　１９６０年代くらいの古いゴスペル系、あるいはリズム＆ブルース系がかかっているバー。
　多分その手のやつが、この時期のシーカヤッキング後のフィーリングに一番合う。
　海から上がった身体を暖かく出迎えてくれるリラックス感。

　と書いていると、ふと急に古いゴスペル系、リズム＆ブルース系クリスマスソングを聴きたくなったので部屋を探っていると、アナログレコードで何枚か見つかりました、聴いていると実によかったです。レコードなので何曲かカセットテープに落として車で聴くことにしました。これ、今の時期にツアーに来られたお客様にさしあげるとしようかな。以下の曲目。

　●ホワイト・クリスマス/ザ・ドリフターズ
　このドリフターズっていうのはいかりや長介とか志村けんとかのあのドリフターズではなくて、昔の黒人Ｒ＆Ｂのコーラスグループ（それを真似したのが日本のドリフターズ）。深く低いテナーと高いファルセットの声のリードボーカルが入れ替わり、絶妙のお洒落な感じを醸し出すアカペラ曲。

　●メリー・クリスマス・ベイビー/アイク＆ティナ・ターナー
　若かりし日のティナ・ターナーがド迫力の声で迫ってくる。

　●プレゼンツ・フォー・クリスマス/ソロモン・バーク
　昔のリズム＆ブルース特有の優しさに満ちた曲。この人の声には「人間愛」みたいなもんが感じられる。時折ラップ的おしゃべり歌唱になる時の「カモン」とか「ハッ」とか合いの手のように入る掛け声がなんとも人間味溢れる。あったかい空間。

　●クリスマス・タイム・イズ・ヒアー/レイ・パーカーJr
　これは１９８０年代のブラック・コンテンポラリー曲。凄い名曲なのでびっくりした。甘く穏やかに流れるセクシーなクリスマスソング。恋人同士に似合うナンバー。
　
　●サンタクロース・ゴー・ストレイト・トゥ・ザ・ゲットー/ジェームス・ブラウン
　「サンタクロースは貧民街に真っ先に行く」と歌う。１９５６年のジェームス・ブラウンのデビュー当初のやつで、ゴスペル色がプンプンにおうダンスナンバー。

　●ジングル・ベル/ブッカーＴ・＆ＭＧ’Ｓ
　誰もが知ってる曲。リズム感がいかにも往年のリズム＆ブルースなオルガンが、おなじみのメロディーを軽快に奏でる。ギターのアナログ感もいい。

　●バックドアー・サンタ/クラレンス・カーター
　力強いファンキーな曲。高揚感誘い出すブラックフィーリングたっぷりの声。こういう歌唱法もアナログ時代ならではのやつ。

　●ラン・ルドルフ・ラン/チャック・ベリー
　シンプルな往年のロックンロールナンバー。

　●ワン・ラヴ/ボブ・マーリー
　別にクリスマスソングではないけど、これ、クリスマスに合う。

　●アメイジング・グレイス/アーロン・ネヴィル
　ニューオリンズの宝みたいなおっさん、アーロン・ネヴィルの奇跡的な歌唱法に打ち震える。数あるアメイジング・グレイスの中でも最高のやつ。めちゃめちゃ感動して鳥肌立ってしまう。

　とまあ、こんなところです。
　ほんとは今年、クリスマス・シーカヤッキングパーティを企画したいところだったのですが、都合により無理でした。それもまた来年以降やろうと思います。
　ではまた来週。

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　今週の海の言葉
　「オレは山奥の深い泉から湧き出て川を転がりやっと海にたどり着いた」
　　　　　　　　　　　　　　　　　by デニス・ボーヴェル。
　
　

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