野生のエレガンス

　こんにちは。アイランドストリームのtsuyoshiです。
　先週に春一番が到来した後、すぐに寒気がやってきて、今日は雪が舞っていましたね。
　梅の花のピンクと、フワフワ漂う白い雪。
　花冷えというやつも、なかなか風情があるものです。
　塩気の効いたコブ茶などが似合う。

　さて、ついさっきまで、ジャック・ジョンソンのCDに合わせてギターを弾いていました。
　セカンド・アルバム「On and On」。
　
　ハワイ生まれ、ハワイ育ちのジャック・ジョンソン。
　知っている人も多いと思いますが、一応紹介しておきましょう。
　幼少の頃からサーフィンに興じ、高校生の時にプロサーファーとしてデビュー。１７歳の時、海で頭部を１００針も縫う大怪我に合い、リハビリの傍らギターを始める。それを機に自身のアーティスティックな側面に目覚め、数年後、西海岸に渡ってサーフィン映画を撮りながらバンド活動を始める。２００２年にデビューするやいなや、あっという間にスターダムにのし上がった。

　彼の創造力の源泉は、サーフィンを通してリアルに実感した「海フィーリング」。
　まさに緩やかな海のうねりそのもののようなグルーヴが、心地いい。

　聴いていると、サウンドとシンクロした海上の風とか潮の流れが、手に取れるかのような錯覚を覚える瞬間すらあります。
　例えば、海から上がってしばらくの時間は、身体全体が海的にグルーヴしているようなものだから、どんな音楽を聴いても大抵そうなるのですが、この人はその感覚を意識して音を作っているという人なので、非常に興味深く思えます（稀有な存在）。また、その作品は全くマニアックな要素はなく、誰の耳にも心地よいものになっているところが、面白いです。
　（フォークロックにかすかなヒップホップ・グルーヴが注入された音。詳しくはここをクリック）
　老若男女、誰にとってもわけ隔てなく気持ちいいのが、海。
　同じく、どんな人の耳にもナイスな、海エッセンスとシンクロした音。
　
　そいつにちょっくら肉薄してみようということで、本人になったつもりの気分で、CDに合わせてギターを弾いていました。印象はまず、あまりにも簡単な作りの曲だということ。「シンプルにもほどがあるだろう」と笑うような単純なコード進行なのですが、しかしギターの音の響きも歌のメロディの味わいにも奥深いものがあって、そこに凄みを感じました。
　「こんなので、ここまでできるのか」と。
　
　シーカヤッキングも、音楽とカップリングさせることによって、より面白さが増す要素が色濃いと言えるアクティヴティなのですが、もしギターを始めたいという方がいらっしゃったら、例えばこのジャック・ジョンソンから始めてみるのが最適でしょう。
　最も初歩的なプレイのみで、やりたいことを全て表現しているミュージシャン。

　初歩的なプレイだと言っても、グルーヴ感の出し方やコードチェンジの間の取り方などは、達人の境地にあるので、肉薄するのは難しいようでした。コツは神経を繊細に集中させながら、脱力リラックスするという感じ。そうやってCDに合わせて瞑想するように弾いていると、（ニュアンスでしか言えませんが）やがて心の中の宿便のようなガサガサとささくれた何かが消え、その奥に伏流水のように流れる、暖かく微細な脈動にフォーカスが合うような気持ちになれたのでした。
　そここそが、ダイレクトに海のエッセンスと繋がっている。
　シーカヤッカーとしての直感。

　「野性のエレガンス」
　その最良のサンプルのひとつが、ジャック・ジョンソンの音楽。
　この人は、なかなかの、自然体の境地です。
　
　さて、お待ちかね。
　いよいよ三月に入るとツアー再開です。
　「海のこころに触れる旅」
　毎日、毎時、毎秒・・・、刻一刻と表情を変える海。その一瞬一瞬が、味わい深い「旅」の彩りとなるようなシーカヤックツアーを、今年もクリエイトしていきたいと考えます。
　皆さんとお会いできることを心待ちにしております。
　
　●お知らせ・１
　今シーズンのツアーは３月から再開です。
　湯浅湾でのシーカヤッキングがメインになりますが、今年はそれに加えて紀伊半島の様々な海域や、時期に合わせて湖や川（琵琶湖畔の水郷地帯や熊野川、古座川など）でのカヤックツーリングなども企画いたします。またご要望に応じて釣り（全く釣りなどしたことない方にも釣りの楽しみを味わっていただけます）やホタル見物やトレッキングなども可能です。
　身近なようでいて実は疎遠であろう近畿のフィールドを色んな角度から楽しみましょう。
　実際、面白い遊び場所は山ほどあります。
　ローカルを別天地に（海はワールドワイド）。
　よろしくお願いいたします。

　湯浅湾でのシーカヤックツアーは今から予約受付しています。

　●お知らせ・２
　置き場所がなかったり、使わなくなった中古艇（タンデム艇歓迎）を譲っていただける方、情報等ございましたら連絡いただければ幸いです。
　

鉄柱一本ごとにウミネコ一匹。湯浅湾、西広海岸沖。
　
今週の海の言葉
　「海水は単なるH２Oではない
　　Body＆Soulに効く水」　